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生活するイメージを明確化、「借りたい」と思わせる
ステージングとは部屋に家具や小物類を置くことにより、その部屋での暮らしをイメージさせ、借りてみたい、住んでみたいと思わせることを言う。そのため、ステージングが特に有益な部屋は使う方のイメージをしにくい部屋ということになる。
森山氏があげるステージングに向く部屋は以下の5種類。
①変形な部屋
⇒家具の配置が思いつかず、使いづらいのではないかと敬遠されがち。どう置けば良いかを具体的に分かってもらうようにする
②デッドスペースのある部屋
⇒使いにくい、無駄になると思われがち。そこで逆にそのスペースがあることが生活を豊かにするということを伝えるようにする
③個性的な色遣いの部屋
⇒最近流行のアクセントクロスの貼られた部屋はそこに自分の持っている家具が合わないのではないかという懸念を呼び起こすことも。その不安を除去するような配置を意識する
④広めのワンルーム
⇒手持ちの家具では持て余してしまうのではと思われがち。少ない家具でもバランス良く置けることを提案する
⑤家賃高め、始めて2人暮らしをする人向けの広い部屋
⇒経験のない2人暮らしをリアルにイメージできるような配置で気持ちを高めていく
それ以外でも狭い部屋、暗い部屋などそのままだとマイナスのイメージを持たれやすい部屋の場合にはそれを逆転させるステージングが必要になる。森山氏の挙げた例でなるほどと思ったのは北向きの狭い部屋にあえて間接照明を置き、暗さを楽しむ、雰囲気に変える部屋にしたというもの。マイナスも見方を変えればプラスに転じさせられるのである。
住む人の「ペルソナ」を明確にする
ステージングを始める前に必ずやっておきたいことは住む人を想定、その人の「ペルソナ」を細かく設定することだ。年齢、性別、職業、年収、家族構成、部屋での過ごし方、休日の過ごし方などなど、細かく決めれば決めるほど良いという。
と聞くとターゲットを絞り込まないほうが広く集客できるのでは?と考える人もいるだろう。もちろん、そうした考え方もあろう。だが、森山氏が挙げた例を見れば効果は一目瞭然だ。それは以下のコピー。
①この物件は使いやすいワンルームです。
②働く女性が抜群に住みやすいセキュリティのワンルームです。
③フリーランスの男性が家でも仕事ができる静かな環境のワンルームです。
②③は受け取る人によって印象が変わるものの、いずれの場合であっても①よりは多くの人に響くことは間違いない。①は誰にでも受けることを考えた結果、誰にも響かないありきたりな言葉になってしまっているのだ。
これをカクテルパーティー効果というのだとか。多くの人が集まる賑やかな場でも、人は自分の名まえや関心のあるキーワードであればきちんと聞き取れるものだそうで、いかに引っかかる言葉を作るかがステージングの第一歩というわけである。
具体的には現在入居している人から考える、周辺に借りている人から考える、物件の特徴から考えるなど様々なやり方があるとのことで、どれだけ的確なペルソナ設定ができるかが肝になる。